作品に命を吹き込む Breathe life into your work
生命はその温みによって存在を知ることが出来ます。私の作品達も、彼等と向き合う長い月日の間は、この手にはっきりと温もりを感じさせてくれます。
でも、私にとって本当の命が彼等に宿るのは、この手を離れた作品達が、新たにそれを手にする方にその温みを伝える時なのです。
私は自身に問いかけます。作品に命を吹き込むことは出来たのか。彼等は独立した存在として歩いて行けるのかと。
私はもう、それを見守ることしか出来ません。彼等の温みも私の悔恨も、全ては既に遠くへと去ってしまっているのですから。
写真は「昂」。金、銀、銅、そして銀と銅の合金。それぞれに融点の異なる彼等の自己主張に耳を傾け、対話を続ければ、その表情も次第に和らいで来ます。 そこに加わる炎の力と鏨の技。高まる意識の中で、私自身が五つ目の素材となり、ついには、この腕の中で、彼等とひとつになる瞬間。 もうひとつ。病床にあった恩師のこの作品を前にして甦る昔日の眼光。いくつもの記憶がこの作品を特別な存在にしています。
大槻昌子金工作品 Masako Otsuki Metal Works
美術館収蔵作品
ニューヨークメトロポリタン美術館で開催された創立150周年記念日本美術の特別展に大槻昌子作品「銀花器〈悠〉」が選ばれ、メトロポリタン美術館に収蔵されました。
大槻昌子作品「銀花器〈舞〉」がアメリカ・ワシントン州のスミソニアン博物館郡 国立アジア美術館に収蔵されました。
略歴
1943年 | 横浜生れ |
1966年 | 多摩美術大学デザイン科卒業 |
1977年 | 大槻工房 設立 |
1982年 | 第22回伝統工芸新作展(現東日本伝統工芸展)入選・以後入選受賞多数 |
1984年 | 第31回日本伝統工芸展入選・以後69回展まで連続入選 |
1987年 | 日本工芸会 正会員認定 |
1992年 | 第32回伝統工芸新作展「奨励賞」受賞 |
1995年 | 第31回神奈川県美術展「特別奨励賞」受賞 |
1996年 | 第26回伝統工芸日本金工展「東京都教育委員会賞」受賞 |
1997年 | 第37回伝統工芸新作展「東日本支部賞」受賞 |
1998年 | 第28回伝統工芸日本金工展 鑑審査委員 |
1999年 | 個展(日本橋三越本店) |
2002年 | 第42回伝統工芸新作展 鑑審査委員 |
2004年 | 現代の「日本の金工」展 招待出品(デンマーク王立工芸博物館) |
2005年 | デンマーク国立技術学校貴金属研究所にて彫金のワークショップ |
2006年 | 第34回伝統工芸日本金工展「日本工芸会賞」受賞 |
2008年 | 個展(日本橋三越本店) |
2009年 | |
2011年 | 第40回 伝統工芸日本金工展「朝日新聞社賞」受賞 |
2013年 | 金香会 彫金展 (日本橋三越本店) 第60回日本伝統工芸展 鑑査委員 日本伝統工芸展60回記念 工芸からKOGEIへ 東京国立近代美術館 |
2016年 | 五月の風 金工展 (日本橋高島屋) 第45回伝統工芸 日本金工展 石洞美術館賞受賞(石洞美術館) 金香会 彫金展 (日本橋三越本店) Asia Week New York 2016(Onishi gallery New york)以後2017,2018 匠心伝承 天工開物 (中華人民共和国 北京) |
2017年 | 伝統工芸 人間国宝と金工作家展(日本橋三越本店) 日本工芸会正会員による 五月の風 金工展(日本橋高島屋) |
2018年 | 日本工芸会正会員による 五月の風 金工展 (日本橋高島屋) 生生・物生意家金工展」(中国,北京坊Exhibition Hall) 造极匠人展 (中華人民共和国 深圳南山博物館) |
2019年 | 伝統工芸 人間国宝と金工作家展 (日本橋三越本店) 金工の手仕事 金香会 彫金展(日本橋三越本館6階美術サロン) |
2020年 | 日本金工をさぐる イセの眼 (高岡市美術館) |
2021年 | Japan: A History of Style (メトロポリタン美術館New york) 8人の女性作家による「第1回フレアの会」(香希画廊) |
2022年 | 大槻昌子 金工展 (日本橋三越本店 本館6階 美術特選画廊) 文化庁主催 拡張する伝統工芸展(日本橋三越本店 本館7階 催物会場) 大槻昌子・大槻洋介展(彫金・硝子)-大槻工房45年の軌跡- 横浜高島屋美術画廊
12月 永眠 |
2023年 | 大槻昌子金工展(元町大槻工房) |
2024年 | Striking Objects: Contemporary Japanese Metalwork展 (Smithsonian NATIONAL MUSEUM of ASIAN ART) |
受賞歴
1982年 | 第22回伝統工芸新作展(現東日本伝統工芸展)入選・以後入選受賞多数 |
1984年 | 第31回日本伝統工芸展入選・以後69回展まで連続入選 |
1992年 | 第32回伝統工芸新作展「奨励賞」受賞 |
1995年 | 第31回神奈川県美術展「特別奨励賞」受賞 |
1996年 | 第26回伝統工芸日本金工展「東京都教育委員会賞」受賞 |
1997年 | 第37回伝統工芸新作展「東日本支部賞」受賞 |
2006年 | 第34回伝統工芸日本金工展「日本工芸会賞」受賞 |
2009年 | 第38回 伝統工芸日本金工展「文化庁長官賞」受賞 |
2011年 | 第40回 伝統工芸日本金工展「朝日新聞社賞」受賞 |
パブリックコレクション
2017年 | 横浜 富岡神社 収蔵 |
2020年 | 横浜 伊勢山皇大神宮 収蔵 |
2020年 | 高岡市美術館 収蔵 |
2020年 | ニューヨーク・メトロポリタン美術館 収蔵 |
2022年 | イセ文化財団 収蔵 |
2023年 | ワシントン州・スミソニアン博物館群アジア美術館 収蔵 |
2024年 | ⚪︎⚪︎ |